Skywood
シンプルながら個性的なカッティングボード、まな板など、Skywoodの木工品は自然の美を引き立てます。森を循環させ、人々を幸せにするために、丹精込めて伐り出された木々が製品に変わります。持続可能な材料と工法を用い、環境に優しく、心地よい暮らしの一部として、木とのふれあいを提案します。自然との調和に満ちた特別な時間と空間を感じながら、木の温もりで心地よい製品をお届けします。
Bornfild
Interview
シンプルな木工品だからこそ際立つ 個性的で豊かな木の表情
スカイウッド株式会社 代表取締役 本田昭彦
チーズを切る? アクセサリーを飾る? それともオブジェとしてぶら下げる?
ーー面白い形のカッティングボードやまな板が印象的ですが、どんな製品をどんな思いで作っていらっしゃいますか。
本田:メインの事業は木材の地産地消を目的とした製材業ですが、吉野の木を地元の人たちに限らずもっと広く知ってほしいという思いから、カッティングボードやまな板といったシンプルな木工品も制作しています。まな板やカッティングボードに使っているのは主に杉と檜です。枝の根元の部分など、形が少しいびつだったり節がたくさんあったりするような、あえてクセのある部分を使って制作しています。建築材としては使いにくい部位ですが、根元の部分は枝を支えるために組織が固かったり緻密だったりするので、木目も面白くて非常に個性的なんです。小物にすると豊かな表情を生み出すので、商品をきっかけに木のおもしろさや森や自然にも興味を持ってもらえたらな、と思いながら作っています。
ーー個性的な形や模様をしているので、チーズや生ハムなどを素敵に盛り付けたくなりますね。どのカッティングボードを選ぶかによって魅せ方も変わり、楽しそうです。
本田:特徴的な商品なので、ぜひ地方や海外でこだわりのものを作っているお店やワイナリーなどとコラボレーションしたいなと考えています。旅をしながら飛び込みで営業をすることも夢の一つです。コラボレーションによってお互いの商品を引き立て合うことができ、それぞれの需要も高まったらいいですね。実際に買って下さった方からは「カッティングボードとして使うのはもったいないので鑑賞用に置いておきたい」「しばらくはオブジェとして吊るしておきたい」とか、「飾り台としてアクセサリーを並べたい」という声を聞いたこともあります。食品に限らずいろいろな用途があるようで、それもまた面白いと思っています。
また、カッティングボードは両面使えるので、片面は普段使いのカッティングボードとして使って多少包丁の跡がついても良しとして、裏面はサービングボードとして使ったりと多目的で使ってもらうこともできます。定期的に亜麻仁油など植物系の天然の油を塗料がわりに塗っていただくと、長く綺麗に使っていただけますよ。
ーー吉野の杉や檜を加工されていて、他の木材との違いはどのあたりに感じますか?
本田:吉野杉はよく手入れをされているので、非常に木目が緻密です。また吉野杉は他の地域の木と比べて抗菌力が高いこともわかっています。抗菌力はまな板やカッティングボードにとって強みになるので、積極的にアピールしていきたいですね。
木を使うことで、森を循環させていく
ーー本田さんは下北山村に移住されてきたそうですね。
本田:私は埼玉県川口市の出身です。田舎暮らしに興味があったので、結婚を機に妻の実家がある下北山村に移住しました。もう23年ほどになります。初めは農業に興味がありましたが、なかなかスムーズにいかない面もありました。暮らしていく中で木というものに興味を持つようになり、次第にそれを生業とするようになっていったという感じです。
メインの製材業の方では今、市場で買い付けたり直接持ち込まれた原木をスライスカットして、建築材料としての柱や板材などへ加工し、大工さんや工務店さんへ納品しています。ただ、一般的な建築材料は価格がある程度決まっているので、それ以上の付加価値をつけにくいという難しさも感じています。だからこそ、工夫次第で付加価値を高められる生活用品や木の家具といった木工品に可能性を感じています。
ーー移住してからの生活や住みやすさはどうですか?
本田:朝、鳥の声で目を覚ましたり、鈴虫の音色やカエルの大合唱を聞きながら眠りについたり、夏は川で子どもたちと遊び、冬には暖炉で薪をくべて温まったり。自然の造形美や木の面白さが、いつでもそこにある。昔はどこにでもよくあった田舎らしさなのだと思いますが、そういった当たり前のことに価値があるということを日々感じさせられています。
もちろん、それを感じられるのも都会の生活を経験したからこそですし、都会には都会の、田舎には田舎の良さがあると思っています。たまに街の中でポップアップの展示をしますが、無機質な空間の中では木の有機的な形がコントラストになりよく映えます。田舎で暮らしている身だからこそ、田舎の価値や大切さを伝え、守っていきたいと思っています。
その一つとして、4,5年前には自然に触れたり山を歩いたり、木工品を作ってもらえるような体験を通して自然観を育めるようなイベントも開催していました。コロナで一時中断していましたが、また再開していきます。
森は、ある程度木を伐採することで森の中に光が入り、木がもっともっと成長していきます。木を使うことで森を循環させていくことができるんです。商品やイベントを通して木の魅力やぬくもりをお伝えできる仕事にはとてもやり甲斐を感じていますし、森の循環という視点をこれからも大切にしていきたいと思います。
Products
Company Info.
Name | スカイウッド株式会社 |
Location | 〒639-3804 奈良県吉野郡下北山村池峰227-3 |
honda@skywood-inc.jp | |
HP | https://www.skywood-inc.jp/ |